皆さん、こんにちは^^
不幸ぐせ解消家の神田裕子です。
先日、久しぶりに遠藤周作の
「深い河」を読み直しました。
上智の大学院神学部教授、
高山先生のお話を伺ったからです。
この小説を読んだ若い頃は
ただ暗い印象でしかなく、
深い宗教性や愛が込められていることを
全く知らずにおりました。
この小説はインドの
ガンジス川が舞台となります。
2年前、私はこの川で・・
業を流す修行をしたのでした。
ヒンドゥー教に限らず、
この川はすべての人を赦し、
受けとめてくれます。
母なる川のように広い流れを見ていると
生きる勇気をもらえます。
さらに死ぬと灰にして流す・・
つまりそこには
生と死が一緒に存在するのです。
「深い河」には5人の人が登場します。
若き時代に愛を求めて虚ろに生きる美津子、
その美津子にぼろ屑のように捨てられる大津、
そして妻を病気で亡くす”夫権的な”磯辺、
戦争時に人肉を食べた経験により
心を病む友人を見送る木口、
そして中国で暮らした時間を思いながら
九死に一生を得る童話作家の沼田、
彼らの人生が微妙に折り重なりながら
インドツアーに参加するストーリーとなっています。
私は美津子が本物の愛とは何か?
を求め、その現実の
空虚感と闘いながら、
大津が持っている
「神の愛」に近づいていくことと
自分の思いが重なって・・
せつなくなりました。
人間が持っている永遠の孤独と寂しさ、
だからこそ他者を求めて止まないことを
私はとても近くに感じるのです。
その一方で亡くなったあと、
たとえ身体は朽ち果てても
人間の存在というのは誰かの心に
生き続けるという死と再生の
ものがたりをこの小説に見ます。
グリーフケアを学ぶと、
死と真剣に向き合うようになります。
それはまた「生」をどう全うするか、
でもあるのです。
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